
今回のFOMCでは、政策金利は 据え置き となりました。市場も据え置きはほぼ織り込み済みでした。
ただし、本当に重要だったのは金利そのものではなく、新議長ウォーシュ氏がFRBの運営方法を大きく見直そうとしている点です。
特に注目すべきは、FRB内に5つのタスクフォースを設置する方針です。
1つ目はコミュニケーション。
フォワードガイダンス、政策金利見通し、ドットプロットなど、市場への情報発信のあり方を見直します。
2つ目はバランスシート。
FRBが保有する資産規模や構成、縮小の道筋を再検討します。
3つ目はデータソースの活用。
従来のCPIや雇用統計だけでなく、よりリアルタイムなデータや民間データ、AIの活用も視野に入ります。
4つ目は生産性と雇用。
AI時代における労働市場、生産性、雇用の変化をどう見るかがテーマです。
5つ目はインフレの見方。
CPIやPCEだけでは捉えきれない物価圧力を、別の角度から評価する可能性があります。
今回かなり象徴的だったのが、ウォーシュ議長自身がドットプロットに参加しなかったことです。
理由はシンプルで、もともとウォーシュ氏は「SEPやドットプロットは政策運営にそこまで役立たない」という考え方を持っているからです。
一方で、今回のドットプロットでは年末の政策金利中央値が 3.8% となり、市場ではタカ派的に受け止められました。現在の政策金利レンジが3.50〜3.75%なので、中央値だけを見ると「年内に1回利上げ」が示唆された形です。

ただし、ここは少し冷静に見るべきです。
ウォーシュ氏本人が投票していないドットプロットに、そこまで大きな意味を持たせるべきなのかは疑問です。むしろ今回の本質は、「FRBがこれまでの予測依存・ガイダンス依存の金融政策から、もっとリアルタイムで実用的な政策判断へ変わろうとしている」という点です。
日本円との関係で見ると、仮に日本が利上げしても、米国側が高金利を維持、または追加利上げの可能性を残すなら、円安圧力は残りやすいです。
だから個人的には、円で給与をもらったらできるだけ早くドル転する、という考え方もかなり合理性があると思っています。



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